Pierre Jeanneret Easy Chair

3脚のEasy Chairが入荷致しました。

R.C.R.P./3は左アーム、背面にレターがあります。

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R.C.R.P./4は背面にレターがあります。

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R.C.R.P./5は右アーム、背面にレターがあります。

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R.C.R.P./5 の詳細はこちら

近年日本でも様々な広告で目にする事が多く、 Pierre Jeanneret作品の中でも特に人気が高い作品です。

個体差について


今回入荷した3脚、後ろのレターが連番、 構造も一緒であることから同時期に同じ場所で作られたものだと思うのですが、

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正面から見ると背の高さはほぼ一緒でもアームの位置、角度がそれぞれ違うのが確認出来るかと思います。

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別の角度から見ると更にわかりやすいです。 長さもだいぶ違います。

見た目もそうですが、実際に座ってみると各々感じる心地よさの発見もございますので ぜひ倉庫にお越し頂き、実際に座って頂けたらと思っております。

レターついて


Pierre Jeanneret作品の面白い特徴として、 レター(作品に記された文字)があります。

今回は背面に特徴的なレター、R.C.R.Pがそれぞれ連番で入っております。 私が調べたところでは、R.C.R.Pは大学院を意味するものとの情報が一番信憑性高そうなのですが、 3脚まとめて入手できた事により分かった事で、 1つの背面に後から追加されたと思われるM.D.Uのレターが入ってます。

これは、Maharshi Dayanand Universityという大学がChandigarhにあり、そこで書かれたものと感じました。

http://mdu.ac.in/

R.C.R.Pと書体が違うのですが、 Maharshi Dayanand Universityは最初、 Rohtak University(ロタック大学)として1976年に設立されたのですが、 その翌年、1977年に改革者のDayananda Saraswatiの名前を取って Maharshi Dayanand Universityに改名されました。

推測ですが、最初はどこか違う大学で使われ、 MDU表記ですので1977年以降にこの大学に引き継がれ、 書き足されたレターなのでは無いかと推測しております。 そう考えると、マジックで書き足されたと思われるDr. A.Sも意味を持ってきます。

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レターが上書き、書き足されている作品はChandigarhでもよく見られます。

特に公共スペースや大学が多いのですが、これは自宅に持ち帰ったりする事が多いので その抑止も理由の1つであった事も現地で教わりました。

このようにレターはこれはどこで使われていたか、誰が使っていたか、何個目か、 面白いものですと、いくらで購入したかのメモまでございます。 このように、作品の情報を探る貴重な手がかりが記されてます。

しかし、レターは大きな機関で管理されていたものではなく、 各所各々のルールで記載されていた為、結構曖昧なものが多い印象です。

近年高値で取引されてるのを見て、新規のレター書き足したり、 当時の壊れた複数のパーツを種類別にストックし、一つの作品を作り出した作品、 大手オークションハウス、ギャラリーの作品に似せた改造品も出回ってるのが確認でき、 より困難になってきているのが現状です。

アーティスト本人が制作した作品であればサイン等なくても作者の癖、 メーカーの家具等であれば刻印等なくても職人、機械の癖等、複数の作品を見比べる事で ある程度の精度まで判断可能ですが、 ヴィンテージのPierre Jeanneret作品の殆どは当時、 家具制作を始めたばかりの職人達により作られた作品ですので それぞれに大きな個体差があります。

世界的に有名なオークションハウス、大手ギャラリーでも c1950のようにCircaを入れて販売する作品なのですが、 買付け先の営業トークをそのまま信じ、正確な裏付けなく当時のオリジナルとして販売している所もあり、 注意が必要と感じております。

構造の違いについて


現在、お客様引取待ちの別のタイプのEasy Chairが倉庫にありましたので、 比較をしてみました。

写真の2脚のEasy Chair、一見すると同じように見えるのですが、

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分かりやすいところで言うと、Aの脚の継ぎ方が斜めとセンターで違います。

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裏から見ると、 A、左が直に接合されて、右が斜めに。 Bは右に貫が無く、 左が前脚太く、後脚が細く(C,D)、 右が前後同じ。

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上の写真Aが裏からだと左が直に継がれてたのに、下の写真、上から見てみると斜めに。 image

このA部分の直、斜めの組み合わせは2019年、香港で開催されたSotheby'sオークションでも登場しましたが、 仕上げも似てる為、よりパッと見の区別がつかないと思います。

別の作品。

こちらは2015年、パリで行われたSotheby'sオークションに登場したEasy Chair。

特徴的なAの角、黄色いラインのように溝が真裏に、青い丸のように籐を通す穴があります。

このタイプ別の個体も見たことがあるのですが、 同じようにBの角度が大きく、ゆったりとした座り心地です。

黄色の部分が溝、青の丸が籐を通す穴です。

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もう一つ、こちらは現地にて見かけた小さいサイズのEasy Chair。

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脚は斜め結合、角は横に丸みがあり、 籐の溝は正面から見えるタイプ。 先程の作品もそうですが、正面から見えるタイプは 角が取れてる個体が多いように感じます。

籐が通常より白く見えてるのが確認出来るかと思いますが、 これは籐の代わりとして作られた丈夫なプラスチック製。

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Chandigarhで私が見てきた現地で今でも籐のままで使われてる作品はほとんど残っておらず、 Capitol Complex内含め、このプラスチック製の籐が使われてました。

メンテナンスの頻度を下げる為に作られたと考えられますが、 こうして長きに渡り使い続ける中での工夫が読み取れるのも魅力の一つです。

このように形が一見同じ作品でも微妙な構造の違いが存在します。 この辺もまだまだ勉強中ではありますが、ある程度事例を蓄積しておりますのでまた機会がありましたらご紹介させて頂ければと思っております。

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